財団法人日本交通公社は、旅行者へのアンケート調査の結果から、旅行者が現地で旅行行動を決める際の情報収集拠点として宿泊施設を重要視していることを明らかにした。観光圏整備法では、宿泊事業者に「観光圏内限定旅行業者代理業」を特例で認める。着地型旅行の情報発信拠点としての役割を期待してのものだが、その狙いが旅行者の実態に即した的を射たものであることを改めて同財団が裏付けた。
日本人旅行者の意識と行動に関するレポート「旅行者動向2008」をこのほど発行。その中で、旅行先での現地情報収集の実態についての調査をまとめている。
現地で情報を入手して旅行行動を決めたことがあるかをアンケートで聞くと、「ある」との回答は30.5%。その情報収集源は「パンフレット・チラシ」に次いで「宿泊施設のスタッフ」や「地元住民の紹介」が上位を占めた。「旅行行動に関する意思決定では、地元の人との双方向の対話が大きな影響力を持つようだ」と同財団。以下、「観光案内板」「旅行ガイドブック」「地図・散策マップ」と続く。
現地で旅行行動を決めた情報媒体はどこで入手したのか。紙媒体は観光案内所や駅で多く設置されているが、パンフレット・チラシ、地図・散策マップとも宿泊施設での入手が最多だった。前者で全体の5割、後者で約3割を占める。
同財団では「宿泊施設は観光地のコンテンツ情報を発信するための重要な拠点」と指摘する。